愛は いつでもそこにあるだわら。目に見えないだけで。

継母のコピペ

575 名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/11/21(金) 21:19:04
    「継母」



  私には、お母さんが二人いた。
  一人は、私に生きるチャンスを与えてくれた。
  もう一人は……


  私の17歳の誕生日に母が継母であったことを聞かされた。
  私を生んでくれたお母さんは、産後すぐに亡くなったそうだ。
  生みの親より育ての親…なんていうが、そのときの私は今まで騙されてきたという怒りと、馴れ親しんだ母が急に他人に思え、両親の話もきかず部屋でふてくされて泣いていた。


  翌日から母を「おばさん」と呼ぶようになった。
  そう呼ぶと母はたまらなく悲しそうな顔をした。
  その後、なにかと私に気をつかいだし、必死になる母をよけいに煩わしく感じ、口もきかなくなってしまった。なんとなく家に居ずらくなったので、夜は出かけるようになった。


  それから一ヶ月がたとうとする頃、シカトし続ける私に母が「部屋で読んでね」と手紙を差し出してきた。が、私はその場でぐしゃぐしゃに丸め、ゴミ箱に捨ててしまった。
  それを見ていた父が私をはり倒し、震える声で「母さんはなあ…」と言ったが、私はろくすっぽ聞かずに泣きながら自分の部屋に逃げた。


  ・・・翌日、母は帰らぬ人となった。

576 名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/11/21(金) 21:20:02
  居眠り運転をしていたトラックが赤信号を無視し、母に突っ込んだそうだ。
  即死だった。
  あまりに急な出来事のため、泣くこともできず、通夜が終わった後も母のそばでぼう然としていた私に、父がボロボロの紙きれを渡し、一言「読め」といった。


  昨日の手紙であった。


  そこには母らしい温かい字でこう書いてあった。

578 名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/11/21(金) 21:23:23
  「千夏ちゃんへ
  17年間騙していてごめんなさい。
  お父さんはもっと早くに言おうとしてたんですが、あなたに嫌われるんじゃないかと思い、あんなに遅くなってしまいました。
  あなたの気持ち、とてもよくわかる。だってお母さん、偽者だったんだもんね…。
  でもね、お母さん、あなたのことを本当のお母さんに負けないぐらい愛してるんだよ。
  千夏が成人しても、旦那さんができてもずーっと…」


  泣きながら書いたのか、字のところどころがにじんでいる。


  そして最後に震える字でこうあった。
  「…だから、、、また「お母さん」って呼んでね。」


  私が感じた寂しさを、母は17年も耐えていたのだ。
  人の気持ちを考えられなかった私は、一ヶ月もの間、母を苦しめたのだ。


  「お母さん…」


  一ヶ月ぶりに発したその言葉は、冷たくなった母の耳には届かない。

継母:アルファルファモザイク
たった一行レスを入れるだけで台無しになるw