《小林泰三》目を擦る女 感想
【小林泰三】
ネタバレあり
収録
・目を擦る女
・超限探偵Σ
・脳喰い
・空からの風が止む時
・刻印
・未公開実験
・予め決定されている明日
小林泰三のミステリーは読んでいてあんまり面白くないなあ。
超限探偵Σも難解な事件の解決方法が
夢オチと仮想世界の出来事でしただもんなあ。
筋は通ってるけどさー。
なんかなあ。
小林泰三は一発屋である気がしてきたぞ。
個人的に好きになった作家の本てのはどれも面白いとか好きという感想を持てるんだけど、この作者は似通ったネタが多い。使いまわしはほどほどにしたら。
一番好きな話は「脳喰い」。
好きにはなれなかったけど新鮮で面白いと思ったのは「空からの風が止む時」。
「刻印」を読んで小林泰三は何か吸血鬼に思い入れがあるのかなと思った。
「刻印」以外は全部上位の世界ネタだった。
今居る世界が実はプログラムで、とか実は夢で、とかそんなのだった。
つか未公開実験って「酔歩する男」の波動関数が発散する世界の視点に立っただけの話じゃね。
短いネタを乱発するより一つの長い話を書いたほうが面白い気がする。
短くても読み終えた後になんともいえないもやもやを残してくれればいいんだけど、それがないからなあ。
「玩具修理者」「脳髄工場」は好意的に取ってSとかつけそうなのでランクから除くとして、今まで読んだ中での分類は
A(優)
人獣細工
B(良)
密室・殺人
肉食屋敷
ネフィリム
忌憶
C(並)
家に棲むもの
AΩ
D(駄)
目を擦る女
かな。あと「海を見る人」と「モザイク事件帳」で多分小林泰三の本は全部読んだことになる。
後者はタイトルからしてミステリーっぽいから前者に期待。先に望み薄な方から読みたいけど海を見る人もハズレだった場合ダメージがでかくなるどうしよう。